秘書と電話と

政治家の秘書とかしてました。

期待値の設定

期待値という言葉をご存知でしょうか。

 

元は統計学や数学における専門用語ですが、ビジネスでも頻繁に使われます。

BtoC*1でもBtoB*2でも大切な概念です。

 

前職の勤めていたコールセンタはお客様からの期待値が実態以上に高いセンタだったので、期待値の設定を誤ると直ぐに苦情につながりました。

信頼を得るということは大変に良いことですが、それを自覚しておくことが非常に大切です。

 

具体例

一人の誠実なオペレータがいました。

彼女はお客様に対して必要なリスクを当初から細かく説明し、でき得る業務上の手段を全て使って一番早い日程で工事の取得を行なっておりました。

その仕事を近くで見ていると誠意を感じずにはいられない対応なのですが、彼女はクレームを引くことが他の人よりも一段と多い人でした。

 

一人の不誠実なオペレータがいました。

彼はお客様に対して不必要に大きなリスクを説明し、業務の上で必要のないことはたとえお客様の為になることでもあまり行いませんでした。結果的には最短の日程では工事は進まずに、日程に余裕を持った形で契約が進んでいきました。しかし、彼は一際他の人よりもクレームを引くことはありませんでした。

 

前者のオペレーターがなぜクレームをたくさん引くかと言えば、話の冒頭で実施の工事にかかる目安のお日にちをお伝えし、イレギュラーが発生しても対処が取りにくい最短の日程で話を進めて言ったからです。そしてあらゆる手段を使ってその日程に向けて工事の手配を整えていくも、一つでもミスやイレギュラーが発生すると実際の工事が延期になったりしていたのです。

 

後者のオペレーターはお客様がなぜ、その日に工事をする必要があるのかを踏まえて急ぐ必要のないお客様には不必要に長い時間を提示することで多少のイレギュラーがあっても対応できる様に幅をもたせて対応をしたのです。そして、良いイレギュラーで工事が早まると自分の会社の努力で早まった様にお客様にお伝えし、恩をきせたのです。

 

情報を精査できる立場であればどちらが本当に一所懸命お客様に対して接しているかは一目瞭然ですが、お客様はその立場にはいませんし管理者もそんなことはしません。

結果として後者のオペレーターはどんどんと出世をしていきましたが、前者のオペレータはずっと昇進をせずに過ごしていきました。

 

能力も知識も対して違いがあるわけではない二人ですが、期待値の設定という部分だけでこれだけ大きな差がつくのです。

皆様も是非、人とお話をする時に自分の期待値の設定と相手がどこに期待値を設定しているのかを見極めて過ごしていただければ幸いです。

*1:Business to Customer

*2:Business to Business